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修学院離宮

お茶会に参加すると「後水尾天皇・上皇」の宸筆によく出あいます。
和歌や書がお上手だったようで、華やかに床や寄付を飾っています。

そんな後水尾天皇が上皇になられてから造営したのが修学院離宮なのです。
一草一木に至るまでご自身の美意識を反映させるため、自ら粘土模型を用い何度も試行錯誤の上造られたのだそう。

上皇がここまで山荘造りに熱意を注ぎ込んだのは、幕府による干渉に嫌気がさしていたからなどとも言われますが、お蔭で後世にこのような素晴らしいお庭や王朝文化が伝わったとも言えるかもしれません。

見学コースは下御茶屋から中御茶屋、そして上御茶屋への3キロの道のりで、時間にすると90分ほどでした。

まずは下御茶屋から
上皇お好みの花菱紋の透かしが入った御幸門から入ります。
こちらのお輿寄せまでは上皇は輿でお越しになられましたが、その先は全てお歩きになったとのこと。
鑑賞用の池を配したお庭には有名な袖形灯籠などがあります。
建物は柿葺入母屋造りの寿月館があり、岸駒(がんく)作の虎渓三笑図が襖に描かれています。

次は中御茶屋へ
上皇も歩かれた田圃の畦道は、明治天皇の御幸の際に馬車が通れるように拡張されましたが、それでも長閑さの残る棚田に沿う道を進みます。
こちらは当初離宮に含まれておらず、光子内親王の朱宮(あけのみや)御所の建物楽只(らくし)軒と東福門院和子(二代徳川秀忠の娘)の女院御所を没後移築した客殿からなります。
こちらの見所は世に言う天下の三大棚の一つ霞棚です。
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互い違いに配された大小五枚の棚板が、いかにも霞がたなびいているようにみえるからこう呼ばれるそうです。
引き手は羽子板やぶりぶりの形になっていたり、床襖壁には和歌や漢詩の色紙をはり、釘隠しには美しい七宝細工が付けられていてとても華やかです。また、金とブルーの斜め市松模様も煌びやかです。

また杉戸も豪華で、作者不詳ではありますが、毎夜庭の池に泳ぎに出てしまう杉戸の鯉を留まらせるため、かの円山応挙が書き足した網が有名な杉戸はこちら
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住吉具慶作で祇園祭の山鉾も描かれています。
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そしていよいよ上御茶屋へ
田圃の道を戻り、大苅込を横目に見ながら棚田を登ります。
現在は稲が植えられていますが、稲が無い時には田毎の月を宿すのでしょうか・・・

御成門を過ぎ、高い刈り込みに囲まれた急な石の階段を登りきると、そこには大きく開けた景色が広がります。
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今までの高い刈り込みはサプライズのための演出だったことが分かります。
池の名前は「浴龍池」島の形を泳ぐ龍の姿に見立てたものと言われています。
池泉回遊式庭園となっていて、上皇は舟に乗って月や草木を愛で、詩を詠んでいた事でしょうね。

今の季節は青楓が美しいです。楓橋と青楓
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この涼やかな葉の様子は自然な感じがしますが、実は御所透かしという技法で葉が重ならないように庭師さんが整えたもの。この辺りも上皇のお好みが現されているのだと思います。

写真では建具が入っていますが、窮邃亭は月見のために建てられたともいえる物で、全ての建具を取り払うと素晴らしい眺めが広がったことでしょう。
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梅雨の晴れ間の中の見学で緑が美しかったです。
紅葉の時期もさぞかし素晴らしい景色なのでしょうね。
ガイドをして下さった宮内庁の職員の方のお話では、雪の時期の修学院も趣があって良いのだそう。
見学者もまばらで、運がよければ?独り占めできるかもとのこと。
皆さまも参加されてはいかがでしょうか。


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