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凡鳥棗

今回は、美術商らしいお話。

凡鳥棗の紹介です。

棗とは茶道具の一種で、お抹茶を入れる器です

凡鳥


利休の孫千宗旦の高弟、藤村庸軒の好みの棗で、
作は初代 中村宗哲です。
特徴としては、五郎塗(刷毛目が見えるくらい薄く塗られたもの)であることと、
甲に桐の蒔絵が施されていることです
この名前の由来には諸説あるのですが、
その中で、これはいいと思ったものを一つご紹介します

凡鳥とは、呼んで字のごとく、普通の鳥ということなのですが、
この二文字、重ね合わせてみると、
なんと「鳳」という字になるのです。
鳳とは、すなわち鳳凰のことで
それは、中国の幻の霊鳥
ありがたさの象徴のようなものです。

ちなみに茶道では、慶事や吉祥を特に喜ぶ文化があります
実際、鳳凰や鶴亀などのおめでたい文様を配したお道具がたくさんありますが、
その中でなぜ鳳棗ではなく、わざわざ凡鳥としたのでしょう?
そして、この棗には鳳や凡鳥はどこにもおらず、
桐の葉しか描かれていません

ちょっと不思議じゃないですか?
では、その言葉の意味を探ってみましょう

「鳳も別れてしまえば凡な鳥となってしまう」

これは、藤村庸軒が友と別れる悲しさを歌ったと言われ、
中国の風説から取った銘であると伝えられています。

次に桐の葉についてです

今日の日本でも家紋や貨幣などで比較的よく目にするものなのですが、
この桐の木と鳳凰には、実は縁があるのです

「鳳凰は、梧桐の木にしか休まず、竹の実を食へ、霊泉を飲む」

つまり、鳳凰は桐の木に宿るといわれているのです
それはお茶の世界でも有名なことで
鳳凰を題材としたお道具では、桐の文様と組で描かれることが多いです
壬生寺(みぶでら)裂という名物裂には桐の木に向かう鳳凰の文が施されています

裂


当時の茶人の心中を知る術はありませんが
友との別れという悲しいことを、あえて吉祥の文である鳳凰であしらうのではなく、
その象徴である桐の葉で表現したのであれば、
現代の美意識にも通じるセンスを感じさせますし、
お堅いイメージを持たれがちな茶道の違った一面や、奥深さを教えてくれます

余談ですが、鳳がオスで凰がメスだそうです

このように美術商らしい話も楽しいと思いますので
定期的に書くようにします

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カーム株式会社
名古屋栄で美術品骨董品の鑑定・買取・オークション運営・質屋を営んでいます。

カーム株式会社

Author:カーム株式会社
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取扱品目は、茶道具・中国美術・絵画・掛軸・金製品・銀製品・象牙・陶器・蒔絵・現代美術・浮世絵・ブランド品などです。
美術品の格安販売もしています。
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