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有松絞り

毎年6月第一土日には名古屋市緑区有松において「有松絞り祭」が開かれます。

有松絞りは歌川広重の東海道五十三次鳴海宿に描かれているほど歴史があります。
竹田庄九郎らによって豊後の国の人が持つ珍しい手ぬぐいにヒントを得て始めたもので、それを東海道を旅する旅人らに販売したところ大変な人気となり、尾州藩の庇護もあり大きく栄えることとなったそう。

絞りの種類は100を超えていて、有名なところでは
縫い絞り
巻上絞り
鹿の子絞り
三浦絞り
蜘蛛絞り
柳絞り などがあります。
詳しくは有松・鳴海絞会館のホームページ

また、絞りで財をなした商人達は立派な蔵と町家を建て、現在もその江戸情緒たっぷりの町並みが今も残ります。
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しかし隆盛を極めた有松絞りでしたが、幕府の崩壊により尾張藩の保護もなくなり、明治以降は徐々に産業が衰退していきました。

伝統工芸を守るため、きもの以外の用途や外国とのコラボなど、様々な新しい取り組みなども行われていますが、やはり後継者不足が深刻な問題ということ。

現在現役の先生方は80歳を超える方も多く、小さい頃から勉強や遊びよりも「絞り」をしてきていて、今の人が大人になってから取り組んでも先生方のレベルには成り難いのだそう。
また一人一技術(種類)のため、消えて行く絞りもあるのだそう。
このお話をしてくださった方は、30数年前に誂えた三浦絞りをお召しになっていました。もう手に入れるのは難しいとのこと。
お話を伺ったお庭
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実はこちらへ伺う前日、カームのビル内で開催された「着物のオークション」で、しつけのある正絹のきものより、古物の絞りの浴衣の方が人気があり、オークショニアが言った「今皆が何を求めているのか分かりますね」という言葉を改めて思い出しました。

有松絞りだけではなく、伝統工芸が衰退して行く中、私達はそれを黙って見ていてはいけない。
何とかしなければ、大切な日本の文化がまた一つ無くなっていってしまう。
と言うことで、私にできるせめてもの事としてブログ記事にさせていただきました。


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