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薩摩守(さつまのかみ)

名古屋は尾張藩の庇護の元、能楽が盛んだったと聞きます。
また、明治になってからは「狂言共同社」が結成され、藩の保護を解かれた役者を豪商の旦那衆らが支えてきたこともあり、現在でも能楽が盛んな土地となっています。

しかし時代の流れの中、伝統芸能が衰退してきているのも事実です。
そこで現在では小中学生を能楽堂に招き、能楽を鑑賞してもらう取り組みなども行われています。
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この日の狂言演目「柿山伏」は子供達にも大うけでした。

また市民能楽セミナーと題し、指定席3000円・自由席2000円という金額で能楽を鑑賞できる企画もあります。
先日のセミナーでは、上演の前に梅田邦久氏(観世流)による能装束についての説明があり、能楽への理解が深められたと思います。
能楽堂の職員を使い、舞台上で装束の着付けを見せて下さいました。思っていた以上に厚着になっていて、役者さん達の苦労が分かりました。
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演目は能楽「俊寛」、狂言「薩摩守」でした。
俊寛は近松門左衛門により「平家女護島・鬼介ヶ島の段」になったり、芥川龍之介により小説化された名作です。

薩摩守は狂言らしく、プッと笑えるお話でした。簡単にあらすじを書くと、

修験僧が旅に出て、茶屋でお茶をいただいたのにお金を持っておらず茶代を支払うことができなかった。
人の良い茶店の主人はかわいそうに思って支払を許して上げたばかりではなく、修験僧の目的地住吉の天王寺に行くには神崎の渡しを渡らなくてはいけない。しかしこの渡しの船賃はとても高いので、なんとか渡れるようにと知恵を与えてくれる。
神崎の渡しの船頭は「秀句(今で言う駄洒落)」好きで、「船賃は?」と聞かれたら「薩摩守」と答えるように教えてくれた。下船する時に「その心は?」と船頭に聞かれたら、当時薩摩守には「平忠度(ただのり)」という方がいたので、「平家の公達薩摩守忠度」と言えば許してもらえると。

しかし修験僧はオチを忘れてしまい「青海苔(あおのり)の引き干し」とわけのわからないことを言う。ちっともおもしろくないので船頭が怒ってしまう。

というお話し。
イマドキのお笑いにはない、ちょっとクスリとしてしまう笑いに触れるのも楽しいのではないでしょうか。

「能」の敷居は少し高いですが、「狂言」から入るのも良いかと思います。


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