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桂離宮

先日京都市西京区にある桂離宮に行って来ました。
職員の方のお話ですと、今年はこの日が紅葉の一番綺麗な日だったそうです。

桂離宮の歴史を簡単に説明すると、後陽成天皇の弟八条宮初代智仁親王により、宮家の別荘として創建されたのが始まりですが、かの源氏物語の中でも「桂殿の跡地」として“月の澄む 川の遠ちなる里なれば 桂の影はのどけかるらむ”と詠まれています。
智仁親王により山荘の造営が始まり古書院が建てられました。親王が没せられた後は、二代智忠親王により中書院、新御殿、月波桜、松琴亭、賞花亭、笑意軒等が増築されました。この際には小堀遠州が造園に関わったのではないか?との推測もあります。


桂離宮の見学は下記のようになっていて、およそ1キロを60分でまわります。
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※宮内庁作成のパンフレットから

桂川が流れる離宮の東側から北側には有名な「桂垣」があります。
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生きている竹(笹ではない)を特殊な方法で生垣にしてあり、維持が大変なんだそう。

後水尾上皇の御幸が何度もあったため、専用の表門とそれに続く御幸門があります。
紅葉と茅葺切妻屋根の「御幸門」
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桂離宮は茶室や書院をもつ数奇屋造のため、「松琴亭」の待合腰掛としての「外腰掛」があります。
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写真には写っていませんが、対面には大きな蘇鉄が植えられていて、今でこそ珍しくはないものですが、当時は大変貴重な植物で、薩摩藩島津家からの献上品だったそうです。日本庭園に蘇鉄とは少し違和感がありましたが、そう聞くとなんだかアリな気がしてくるものです。

洲浜
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灯籠を灯台に見立てて海を演出し、「天の橋立」に見立ててあるのだそう。
この池泉回遊式庭園には船着場や灯籠、手水鉢(蹲)が効果的に配置してあり、そこも見所になっています。

桂離宮で最も格の高い茶室「松琴亭」です。
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この青×白の市松模様の襖はあまりにも有名ですね。
狩野探幽筆による襖絵も格式の高さの表れです。
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峠の茶屋とも呼ばれる「賞花亭」連子窓が鄙びた味わいです。
秋には「たつた屋」春には「吉野屋」の暖簾がかかっていたそう。
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「園林堂」は宮家代々のお位牌が祀られていたところ
扁額は後水尾上皇の宸筆
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紅葉の中に佇む「笑意軒」は田舎家風の茶室
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ここでは様々な引き手が楽しい
「櫂」の引き手
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「矢」
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書院の方には「月」などもあり、スーベニアのモチーフにもなっています。

有名な「桂棚」もある書院・御殿は外からのみの見学でした。雁行形(雁の集団が並んで飛ぶ姿)並びと高い床が印象的な建物でした。
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月見台では月観や納涼の会が開かれたのでしょうね。
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最後の建物「月波桜」へ
ここは唐紙の襖が美しかったです。
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額縁に切り取られた秋の景色
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舟の底のように組んである竹の垂木
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とても手入れにお金がかかると言う「松」
奥の景色を隠して、その先に期待をもたせるという趣向
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外から見るだけでしたが、お輿寄せの「六つの沓脱」
六人の沓を並べることができるそうです。
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紅葉が美しかったこともあり、とてもとても美しい建物とお庭でした。
自然と融合している修学院離宮と人工美を追求した洗練された桂離宮
どちらもそれぞれに美しいものだと思います。

ブルーノ・タウトに「最高の芸術品」と言わしめた桂離宮
今度は雪の時期に行きたいと思いました。



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